遺品や古物は「モノ以上の価値」を持っている

遺品整理や生前整理の際に出てくる古物(こぶつ)は、ただのモノではなく、人生の記録や想いのこもった財産です。
中には「資産的価値」があるものや、「思い出」として残しておきたいもの、供養が必要なものもあります。
適切な方法で整理することが、ご自身やご家族の心の整理にもつながります。
古物とは?何が対象になるのか
古物とは、中古品や長期間使われた品物のことを指し、法律的には以下の13品目が対象です。
主な古物品目 |
美術品類(絵画、陶磁器、掛け軸、骨董品など) 衣類(着物、ブランド服、和装小物など) 時計・宝飾品類(腕時計、指輪、ネックレスなど) 家具類(机、椅子、タンスなど) 電化製品類(昔のラジオ、カメラ、古い家電など) 書籍類(古書、写真集、全集など) 道具類(工具、文具、台所用品など) 玩具類(昔のおもちゃ、人形、プラモデルなど) 楽器類(ピアノ、バイオリン、和楽器など) レコード・CD類(レコード盤、限定CD、カセットなど) |
---|
整理の流れ(感情と価値のバランスをとる)
分別する |
・「残すもの」:想い出・写真・形見・再利用できる物 ・「売るもの」:価値のある古物(専門査定が必要) ・「譲るもの」:家族・知人に引き継げる物 ・「処分するもの」:傷んでいたり価値のないもの |
---|---|
価値を調べる |
・骨董店や古物商に査定を依頼 ・フリマアプリ・ネットオークションで相場を確認 ・リサイクルショップでは「再販可能か」が基準になる |
売却・寄付・供養 |
・高価なもの:専門の古物商へ依頼(買取または委託販売) ・雑貨や日用品:リユースショップやバザーに寄付 ・思い入れが強い物や人形類:お焚き上げ供養も選択肢 |
古物の買取・売却時に注意したいポイント
古物営業許可を持つ業者に依頼する | 不正売買やトラブルを防止 |
---|---|
査定は複数社に依頼すると安心 | 業者ごとに得意分野が異なる |
骨董・美術品・着物は専門業者が◎ | 特に相場変動が大きいためプロの目が重要 |
フリマアプリ利用時の注意点 | 真贋トラブル、発送時の破損、個人情報管理に注意 |
処分だけで終わらせない「心の整理」としての活用
遺品整理や生前整理は、「捨てる」作業ではありません。
思い出や物語を尊重しながら、新たな役割を与える作業です。
家族で語りながら整理する時間を持つ | 写真や手紙の整理は会話のきっかけになります。 |
---|---|
記録として残す | 古物の由来をメモに残したり、写真に収めて「自分史」の一部になります。 |
形見分け・供養 | 心の区切りをつけることができます。 |
近年注目されている「生前整理」との関係
高齢化社会の中で、自分が元気なうちに「モノや思い出を整理する“生前整理”」への関心が高まっています。
古物を整理することで…
・将来の遺族の負担を減らせる
・今後の生活をすっきりさせる
・本当に大切なものを見つめ直せる
古物整理のパートナー選びも重要

大切な人の持ち物、長年使ってきた愛着ある物。
信頼できる業者や専門家に依頼することで、安心して手放すことができます。
【選ぶポイント】
・古物商許可の有無
・明朗な価格提示と説明
・遺品整理士など資格のある担当者がいるか
・丁寧で心ある対応をしてくれるか
あとがき
大切な人の持ち物、長年使ってきた愛着ある物。
それらを手放すという行為は、心の整理でもあります。
古物整理は、「価値を見極める目」「供養する気持ち」「家族への思いやり」そのすべてが重なる大切な取り組みです。