車は「資産」であり「維持費のかかる財産」

車は使い方によって便利な生活道具でありながら、
維持費(税金・保険・車検・駐車場代など)もかかるランニングコストの高い財産です。
特に高齢期や相続時には、「本当に必要か?」を見直すタイミングでもあります。
生前整理で車をどう考えるか?

高齢になって運転が不安になってきた、という理由で免許返納や車の手放しを検討する方も増えています。
<生前整理としての車の対応例>
・運転が難しくなったら家族へ譲渡(名義変更)
・車を売却して現金化(今後の資金確保にも)
・車の廃車手続き(長期間使わないなら維持費カット)
・高齢者向けカーリースへの乗り換え(保険込みの契約もあり)
特に地方では移動手段が必要なため、完全に手放すか代替手段を確保するかの検討が重要です。
故人が所有していた車をどうする?
相続が発生した場合、その方の車は「相続財産」に含まれます。
対応の選択肢は主に3つ |
・相続して乗り続ける(名義変更) ・売却して現金化する ・廃車・処分する |
---|
車の相続手続きの流れ
車は「動産」なので、法務局での登記のような手続きは不要ですが、運輸支局での名義変更が必要です。
名義変更に必要な書類(普通車の場合) |
・車検証 ・相続人全員の戸籍謄本 ・被相続人の除籍謄本 ・遺産分割協議書または遺言書 ・相続人の印鑑証明 ・車の譲渡証明書(場合による) |
---|
※軽自動車の場合は手続きが簡略で、印鑑証明や戸籍は不要なケースもあります。
車を売却・廃車にする際の注意点
車を売却する場合 |
・名義変更(または相続手続き)が終わっていないと売却できない ・車検が残っていると高値がつきやすい ・走行距離や年式により、想像以上に値が付くことも |
---|---|
廃車にする場合 |
・自動車税の還付を受けられるケースあり(普通車のみ) ・永久抹消登録または一時抹消登録の選択肢あり ・車内の遺品の確認は必ず行う(免許証・書類・カーナビ情報など) |
車にかかる費用と所有のリスク
高齢者や相続者が車を持ち続けるときは、費用対効果や安全性を見直すべきです。
下記に年間にかかる平均費用を記載します。
自動車税 | 約3万〜5万円 |
---|---|
自動車保険 | 約5万〜10万円 |
車検費用(2年ごと) | 約10万〜15万円 |
駐車場代(都市部) | 月1万〜3万円 |
燃料・整備・洗車 | 年間5万〜10万円 |
年間20〜30万円の維持費がかかるケースもあります。
車の価値を活かす「活用方法」

車を処分する以外にも、次のような活用法もあります。
・家族間で共有車として利用(使用頻度が低いならシェア)
・相続後に福祉車両に改造して高齢者介護に活かす
・地方で車を使う親族に譲渡し、生活支援に
・買い取りではなく寄付という選択肢(NPOなどへ)
あとがき
車には、思い出が詰まっていることも多く、手放すのに心の整理が必要な場合があります。
それでも、「誰が引き継ぐか」「本当に必要か」「維持できるか」は現実的な判断が求められます。
相続や生前整理を考える際には、車の扱いも含めて家族で話し合い、将来に備えていくことが大切です。