返礼品とは何か?

返礼品とは、葬儀や法要などに参列してくださった方々に対し、「感謝の気持ち」としてお渡しする品物です。
代表的なものに以下があります。
・香典返し(葬儀で香典をいただいた方へのお礼)
・会葬御礼品(当日、会葬に来てくださった方への品)
・法要の引き物(四十九日、一周忌などの法要参列者への返礼)
これらは、故人の供養とともに、「ご厚意へのお礼」や「ご挨拶」の意味を持ちます。
返礼品の目的と意義
感謝の気持ちを伝える |
参列や香典という心遣いに対し、失礼のないよう丁寧にお返しをするのが日本の習わしです。 物を通して、言葉では伝えきれない感謝を届けます。 |
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供養の一環として |
故人の冥福を祈る供養のひとつとも捉えられています。 「○○さんのために、丁寧に対応してくれてありがたい」という思いを遺族が届ける行為です。 |
社会的なマナー・礼儀 | 香典返しは特に地域や宗教を問わず広く行われる慣習であり、返礼がないと失礼に当たるとされる場合もあります。 |
返礼品の種類とタイミング
香典返し(後返し) |
・タイミング:四十九日法要を終えたあと(忌明け)に送付 ・対象:香典をいただいた方(3,000円以上が目安) ・相場:香典額の1/2~1/3が目安(例:1万円の香典 → 3,000~5,000円の品) |
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当日返し(即日返し) |
・香典をいただいた当日に返すスタイル(最近増加) ・香典の金額にかかわらず一律同じ返礼品を用意し、会葬御礼と一緒に手渡す ・管理がしやすく、参列者にも気を遣わせないメリットあり |
法要の引き物 |
・四十九日、一周忌、三回忌などの法要で、参列者に感謝の品として贈る ・お菓子や日用品、カタログギフトなどが選ばれる |
返礼品の内容・人気アイテム
お茶・海苔・タオル類 |
・「消え物」といって、使う・食べることで供養になるとされる ・年齢問わず好まれ、定番品 |
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お菓子・お米・調味料セット | ・日常使いできるもの、家族で分け合えるものが人気 |
カタログギフト |
・選ぶ手間が省ける、相手の好みに合わせられる ・若い世代から高齢層まで幅広く対応できる点が利点 |
洗剤・石鹸などの実用品 | ・「日々を清める」「新たな人生を清める」という意味を持つことも |
高額な香典をいただいた方には個別対応も | ・特別なお品(高級菓子、陶器、漆器など)や、商品券を選ぶこともあります |
ただし現金・商品券は宗教・地域によって賛否があるため注意が必要です。
表書き・のし・包装について
のし紙の表書き |
・香典返し:一般的に「志」や「満中陰志」 ・法要返礼:回忌法要であれば「粗供養」や「○回忌志」 |
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包装・水引 |
・水引は結び切り(一度きりでよい意味) ・色は黒白・黄白・双銀など宗派によって変わります ・専門店では地域・宗教に応じた提案もしてくれます |
返礼品の手配方法
・葬儀社に依頼する(一括で手配可能、ミスが少ない)
・返礼品専門店・ネットショップで自分で選ぶ(予算調整・内容の自由度あり)
・即日返し用のセット商品を選ぶ場合は、早めの準備が必要
また、葬儀後にまとめて送付する「後返し」の場合…
・住所の確認
・金額に応じた個別対応
・挨拶状の準備(定型文 or オリジナル)など、注意点が多くなります。
返礼品で失敗しないために

・事前に参列者のリストと香典額を整理しておく
・宗教・地域性に合った品物・表書きを選ぶ
・感謝の気持ちを込めた「挨拶状」は添える
・高額香典への対応は、できれば家族で話し合っておく
・商品は「消え物」が基本。趣味性が強いものは避ける
あとがき

返礼品は「形だけのもの」ではなく、亡き人を悼む心と、参列者への感謝を伝える大切な文化です。
だからこそ…
・価格ではなく“気持ち”を込めた選び方
・故人らしさをさりげなく表現する工夫
・宗教・マナーを踏まえた丁寧な対応
これらを意識すれば、故人の品格がそのまま伝わる返礼になります。